アーティスト紹介:
演奏家であり作曲家でもある渡辺香津美は17歳でデビューして以来、活動50周年を過ぎても常にジャズの第一線で活躍し続ける天才ギタリストです。1979年、坂本龍一をはじめ国内トップ・ミュージシャンと結成したバンド、KYLYN(キリン)を結成し、同年イエロー・マジック・オーケストラのワールド・ツアーにも参加し、世界的な注目を集めました。リーダー・アルバムは50枚を超え、なかでもニューヨークのトップ・ミュージシャンをゲストに迎えて制作された『TO CHI KA』(1980年)では、収録曲がテレビCMにも起用され、人気が一般化しました。ジャズの領域を超えた幅広い活動は、多くの支持層から賞賛を集めています。
作品紹介:
代表的な楽曲である「UNICORN」はニューヨーク録音による『TO CHI KA』(1980年)の収録曲です。マイク・マイニエリ(vib)がプロデューサーとなり、彼の類稀なる人選センスによって、マーカス・ミラー(b)やスティーヴ・ジョーダン(d)、マイケル・ブレッカー(as)などNYきっての腕ききミュージシャンが起用され、さらに超一流のエンジニアやスタッフが結集し、渡辺香津美自身が一つの金字塔と称するクオリティに仕上がっています。日立「Lo-D」のCM曲に起用されたことで大衆への認知が広まり、パーカッシヴでグルーヴィーな渡辺香津美サウンドのイメージを築き上げました。その後、アレンジを変え東原力哉(d)、神保彰(d)など様々なビッグアーティストや、渡辺香津美自身のバンドMOBO3によってもカバーされ、難曲でありながら、セッションのニーズが非常に高い、多くのジャズプレイヤー、ジャズファンに愛される曲となっています。「UNICORN」の他には、『DOGATANA』(1981年)や『MOBO』(1983年)といったアルバムの収録曲も含んでおり、インプロヴァイザーとしての顔のみならず、作曲家・渡辺香津美としての豊かな才能を感じられるカタログとなっています。